2015年以降、首都圏を中心にコワーキングスペースが急激に増加しています。その背景には、インターネットの普及、働き方改革、新型コロナ流行をきっかけとしたテレワークの浸透などがあります。
しかし、首都圏と比べて、地方でのコワーキングスペースの普及はやや出遅れ気味です(出典:「日本のコワーキングスペースの現状と展開」)。
こういう疑問をもつ方もいるかもしれません。
地方ではどんなコワーキングスペースが営業しているんだろう?
そこで、昨年、静岡県・富士市で営業を開始したコワーキングスペース「WORX(ワークス)富士」の利用体験をご紹介します。
この記事では、コワーキングスペース「WORX(ワークス) 富士」のサービス内容、オフィス設計、料金体系、施設の雰囲気などをお伝えします。
WORX(ワークス) 富士とは?

WORX(ワークス) 富士は、2021年3月にオープンしたコワーキングスペースです。静岡県最大級のスペース(フロア面積350坪)で、広々した空間が特徴です。
最寄り駅は岳南電車岳南線「ジヤトコ前駅」。JR東海道線「吉原駅」で岳南電車岳南線に乗換えて1駅の場所です。「ジヤトコ前駅」からWORX(ワークス) 富士まで徒歩10分程度です。
WORX(ワークス) 富士を利用した当日は、車で行きました。下の写真のように、施設の目の前に利用者用の駐車場があります。施設の横に砂利詰めされた敷地の駐車場もあって、この駐車場も利用することができます。駐車場のスペースは広いので、車で行く際には便利です。

下の写真は、WORX(ワークス) 富士の1階のフリー席の様子。4つの椅子が置かれたラウンドテーブルが、離ればなれに備えられています。ラウンドテーブル間の距離を図っていませんが、2~3m程度という感覚です。とても広くて静かなので、集中して作業することができます。蛍光灯の光や外からの採光も十分なので、施設全体がとても明るいです。

ラウンドテーブルの他に、ソファーも置かれています。上の写真の奥に向かい合わせで黒いソファーが置かれています。
ソファーでは、利用者同士で会話したり、疲れた時にリラックスしたりすることができ、WORX(ワークス) 富士は、”ゆったり”と設計されているコワーキングスペースです。
静岡県・富士市の郊外にあるという立地を生かして、土地を十分に確保しつつ、利用者の快適性が高くなるように席の種別や配置が配慮されています。
WORX(ワークス) 富士を運営する会社は、「株式会社 JOINX(ジョインクロス)」。JOIN(=参加する)とX(地域の活性化を目指す全ての人)を組み合わせて、社名とされています。
”地域から日本を元気に”をテーマに、地方創生事業、地方移住推進事業、リモートワーク事業を推進しています。

JOINX(ジョインクロス)のリモートワーク事業として、WORX(ワークス) 富士が運営されています。JOINX(ジョインクロス)は、WORX(ワークス) 富士の他に、浜松市にあるWORX(ワークス)浜松も運営しています。
サービス内容・施設

サービス概要
コワーキングスペースとバーチャルオフィスの両方のサービスを利用できます
コワーキングスペース
フリー席である共同スペースに加えて、固定席である個別スペースが用意されています。複数の会員が一緒になってアイデアを出したり、協働することで、新しい価値を提供しやすい環境(共同スペース)と、個々の活動に専念しやすいような環境(個別スペース)の両方を設けることで、利用者ニーズに広く応えています。
フリー席、固定席、法人会員は、いずれも、月額料金タイプの有料会員です。
毎月の料金が発生しない無料会員もあります。無料会員は、利用日に利用時間に応じて料金を払うタイプの会員で、いわゆる、ドロップイン利用のための会員と位置づけられます。
バーチャルオフィス
コワーキングスペースの中には、レンタルオフィスのように個室をもうけるビズコンフォートのような施設も多いですが、個室を備えずにバーチャルオフィス機能を提供するコワーキングスペースは珍しく、WORX(ワークス) 富士の特徴の1つとなっています。
WORX(ワークス) 富士では、バーチャル会員となり、オプション料金を支払うことで、バーチャルオフィスサービスを受けることができます。
一般的に、バーチャルオフィスでは、3つの主要サービスが提供されていることが多いですが、WORX(ワークス) 富士では、3つの主要サービスのうち「住所利用」「郵便物受取り」が可能なようです。

サービス内容は時間の経過と共に変更され得るので、WORX(ワークス) 富士において、「電話の代行/転送サービス」が受けられるかどうかについては、直接にWORX(ワークス) 富士にご確認ください。
基本サービス

WORX(ワークス) 富士では、施設(会議室、スタジオなど)やオフィスサービス(固定席、ドロップイン、バーチャルオフィスサービスなど)の他、コワーキングスペースが備えていることが好ましい6つの基本的サービス(下の表)は全て提供されています。
基本サービス | ○(有り) |
---|---|
ロッカー | ○ |
コピー機 /プリンター | ○ |
電源コードなどの備品の貸し出し | ○ |
Wi-Fi(無線LAN) | ○ |
ドリンクサーバー | ○ |
交流会 | ○ |
上の写真は、1階の「電話ボックス」「ドリンクコーナー」「コピー機」の様子です。
電話ボックスでは、施設外の方と電話をすることができます。電話での声やコピー機の稼働音が利用者の活動の妨げにならないように、1階のフリー席や2階の固定席・会議室・スタジオと離して電話ボックス・コピー機が設置されています。
Wi-Fi(無線LAN)のSSIDとパスワードは、壁に掲示されています。WORX(ワークス) 富士のWi-Fiを利用しましたが、普段自宅で使用している光回線のWi-Fiと比べて遜色ない通信スピードで、使いやすかったです。
電源コードなどの備品の貸し出しについては、1階受付で対応してもらえます。
下の写真のように日々の情報は施設内の掲示版に掲載されています。掲示版をみると様々な情報を入手できるので、とても便利です。

交流会も盛んです。「友達を増やしたい」「新しい情報が欲しい」「仕事のつながりが欲しい」「仕事の情報交換をしたい」「共同で事業をするパートナーを見つけたい」など、様々な目的で、新たな出会いを探すことができます。
WORX(ワークス) 富士は、”コワーキングスペースらしい”共有オフィスです。

コワーキングスペース(フリー席、固定席)

コワーキングスペースを利用する際、利用できるフリー席は1~2階の両方にあり、固定席は2階のみにあります。上の写真は、1階のフリー席です。1階のフリー席はとても明るく開放的です。
1~2階のどちらのフリー席を利用してもOKですが、1階は静かな音楽が流れており、2階はさらに静かな環境で人も少なめなので、共同作業の時には1階のフリー席、黙々と一人で作業する場合には2階のフリー席という使い分けをオススメします。
固定席は、2階に縦列に並んでいます。
固定席の両隣には会議室が設けられているので、固定席は、普段から商談や打ち合わせを行う、個人事業主や法人経営者がレンタルオフィスの代りに用いるのに適していると感じました。
有料会員と無料会員の料金は以下の表の通りです。
有料会員 | 無料会員 | |
---|---|---|
入会金 | 5,500円 | 5,500円 |
月額費 | 5,500円~22,000円 | 無料 |
フリー席の利用 | プラン時間帯であれば何度でも利用可 | 550円/3時間 1,100円/日 |
バーチャルオフィス

WORX(ワークス) 富士では、バーチャルオフィスの3つの主要サービスのうち「住所利用」「郵便物受取り」が可能なようです。
バーチャル会員となって、以下のオプション料金が必要となります。
オプション | 料金 |
---|---|
登記利用(住所利用の料金込み) | 6,600円/月 |
住所利用 | 3,300円/月 |
郵便・宅配の受取り | 5,500円(初回のみ) |
WORX(ワークス) 富士において、「電話の代行/転送サービス」が受けられるかどうかについては、時間の経過と共に(サービスも変更され得るので)、WORX(ワークス) 富士の利用を検討される際、直接にWORX(ワークス) 富士にご確認ください。
有料ルーム

3種類の会議室、セミナールーム、スタジオを有料で利用することができます。
有料ルームを利用する場合、WORXの有料会員または無料会員に登録しておき、会員サイトから事前に予約しておく必要があります。予約は60日前から可能です。キャンセルする場合には、キャンセル時期に応じて、キャンセル料金が発生します。
具体的料金など詳しくは、WORX富士のホームページをご参考ください。
利用手続き方法

施設内の掲示版に掲載されているように、スマートフォンから「WORXアプリ」をダウンロードし、「WORXアプリ」を起動して、メールアドレス・有料/無料登録、利用者情報などを情報登録することで、利用を開始することができます。
ドロップイン利用の場合は、有料登録ではなく、無料登録しましょう。
情報登録を終えるとWORX(ワークス)富士を利用することができるようになります。
施設を訪れる際、WORXアプリにログインしQRコードを表示させて、QRコードを受付のipadにかざすとチェックインすることができます(チェックインできない場合、店舗スタッフに問い合わせしましょう)。
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